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help リーダーに追加 RSS 吉田秋生『河よりも長くゆるやかに』小学館文庫

<<   作成日時 : 2007/03/05 04:28   >>

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 今晩はなぜか眠れず(昨日昼まで寝てたからやけど)、何か漫画でもよんで…と手に取った。数ある吉田秋生の本の中でも、けっこうお気に入り。もう何度も読んでる。一冊でサラッと読めるしね。

 主人公は能代季邦、米軍基地のある街に住み、男子校に通う高二。友達の久保田深雪(男)らと男子高校ライフ(笑)を送る日常を描く。

 しかしこの作品、単に明るい高校生活を描いたものではない。むしろ、説明しだすと暗い。

 主人公トシの家庭は崩壊している。トシが中学の時に父母が離婚、母は他界し姉と二人暮し、母の遺言で毎月父に会い養育費をもらう。トシはそんな生活がたまらなく、基地のアメリカ人相手のバーでアルバイトし、たまに隣のゲイバー(?)もヘルプ、物語の最初では女衒のマネまでしている。

 友達のミユキの方も単純な家庭ではない。悪徳ローン会社の社長の息子であり、幼少時には誘拐さわぎにもあった。さらに私生児だ。

 そんな二人を中心にしながら、学校では明るい男子高校生活を送る二人が描かれる。

 しかし、高校生の生活は学校だけでは終わらない。

 タイトルは全11話の中の五話目、「大麻畑でつかまえて」の中で出てくる二人の会話からとられている。この話自体はおバカな話で、自生している大麻を見つけて皆で吸おうとする話(なんちゅう話じゃ)。だがその中で橋の上で二人が交わす会話、これがまたいいのだ。これはこの二人の背景がしっかり描かれているから非常に心に響くのであって、他の普通の学園マンガではこうはいかないだろう。

 高校生も楽ではないのだ。皆高校生の時はそう思ったハズ。それぞれが事情を抱え、高校生なりに生きている。17歳という歳のころ、あなたは何を抱えて生きていましたか?二人程複雑な環境でなくても、何かは皆抱えていたのだ。

 そんなことを思い出す作品である。

 吉田秋生の代表作「BANANAFISH」や「YASHA」、「吉祥天女」よりは「カリフォルニア物語」に近いかも。リアルな男子高校生の日常が、少女漫画家によって語られる。性差の話もリアルで、ようここまで描けるなあ、とホンマ感心します。キレイな話しか読まない、って人以外はどうぞオススメ。ぜひご一読を。

河よりも長くゆるやかに
河よりも長くゆるやかに (小学館文庫)

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