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zoom RSS 中原祐『ラストイニング』9巻 原作、神尾龍 監修、加藤潔

<<   作成日時 : 2006/04/04 00:49   >>

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 センバツの決勝は清峰vs横浜となったようだが、今現在、野球漫画のオススメはこのマンガだ。

 学校経営危機に陥っている彩珠学院高校を立て直すことになった経営監査室マネージャー美里ゆり子は、弱体化した野球部が一年後の夏に甲子園出場を成し遂げなければ廃部にする、と宣告する。かつて36年前、全国制覇を成し遂げたころの主将であり、13年前までの監督であった現在の校長は、野球部を立て直すため、一人の男を新監督として呼び寄せる。その男の名は鳩ヶ谷、通称ポッポ。ところが、この男の指導法は一見問題だらけで…

 ポッポは、13年前、校長が監督を辞めざるをえなくなった問題を引き起こした張本人だ。13年前の準決勝、捕手として出場していたポッポは、最後の審判のボール判定に泣く。つめよったポッポに審判は言う。「大切なのは、勝ち負けよりも高校生らしいひたむきさだ!」捕球の後、審判の判定を待たずにポッポが勝手にアウト扱いしたから、審判は彩珠学院の負けにしたのだった。「悔しい気持ちは良く分かる。だが、これも勉強だ。この敗戦をかてにこれからの野球人生を…」と続けた審判にポッポは殴りかかったのだった。

 野球部の監督として戻ったポッポは、高校野球として思い浮かぶ3つの言葉、さわやか、ひたむき、正々堂々、この3つを諸悪の根源と呼び、禁句とする。勝つためには必要ない、と。そして生徒達をイヌ型、ネコ型、サル型に分類してしごいていく。これらのやり方は一見問題に思える。勝つためには何をしてもいいのか、と思わせる。高校野球は教育の一環であり、勝つことよりも大事なのは別のところにある、と。確かにそうかもしれない。だけど、それは考えること、努力することの放棄にも思える。さわやかであればそれでいい、ひたむきであればそれでいい、正々堂々であればそれでいい、といった考え方は自己満足であり、思考停止であり、現状に甘え、進歩を阻む考え方とも言える筈だ。「たとえ負けたって彼らの思い出にはなるでしょ」そう言う前監督にポッポは言う。「負け試合の悔しさで夜中に目が覚める…そんな思いしたことあるのか」そこまで思うこともせず、現状の結果に満足していては、何も始まらない。道徳を叫ぶ者ほど道徳的とは限らない…

 ポッポは一見何の役に立つか分からない練習をさせるが、それは実は非常に合理的で、子どもたちが自分達で考えて、成長していく練習だ。例えば、バレーボールをさせる。右投げのピッチャーに左で投げさせる。キャッチャーに毎回1点だけ敵にわざと点をとらせる組み立てをさせる。

 このマンがにはいくつも名言が出てくる
「8勝92敗のチームでも甲子園には行けるんだ!」
「一死一・三塁から点が入るパターンは50以上あるぜ」
「キャッチャーは徹底的に”マイナス思考”じゃないとダメなんだ」
「奇襲ってのは二回続けるから奇襲になるんだ」
これらの言葉の意味も面白い。

 さて、新刊の9巻の話。
 しだいに力をつけてきた彩学は、甲子園で準優勝した津軽明星高校と練習試合をする、その中でサル型でキャッチャーの八潮は、頭を使って変化球を誘い込んで打とうとするが失敗する。逆に相手には打たれる。どこに違いがあったのか?
 県大会初戦を前に、ポッポは「ひとつひとつのプレーを大切にな。じっくりしっかりミスなくやろう…」と言う。いつもと違って当たり前のことを言うポッポに、コーチは「優しくなったんですね」と言うが、ポッポは「オレは一番きついことを言ったんだ」と言う。その真意は?
 初戦をコールドで勝った後、次の試合は玉川監督率いる優明館。ポッポと対照的に「負け試合こそ大事」と言いながら、さわやかな顔しながら、頭脳戦を挑んでくる相手にどう戦うのか?
この辺が今回の見所だろう。

今回の名言は「この世でピッチャーほど女々しい奴らはいねえからな」

このマンガを読んでると、ノムさんの本のタイトルを思い出す。「野球は頭でするもんだ」

ラストイニング 9 (9)

ラストイニング 9―私立彩珠学院高校野球部の逆襲 (ビッグコミックス)

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