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zoom RSS 笹沢佐保『徳川幕閣盛衰記』(上中下)祥伝社文庫とNHK批判

<<   作成日時 : 2006/04/23 14:11   >>

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 仕事の都合上、読む本の順番が変わってます。これなら次の本は…なんて言わなきゃいいのにね。すいません。
 で、この『徳川幕閣盛衰記』ですが、祥伝社文庫なので見つけにくいかもなあ。でも良作なので、日本史に興味ある人は是非読んでほしい。高校生で日本史とってる人とかにもオススメな作品です。
 で、ちょうどこれ読んでる時に、NHKの「その時歴史が動いた」で7・8代将軍のころの大奥の話をやってたんですが、これが…

 上巻タイトルは『野望の下馬将軍』で、3代徳川家光〜5代徳川綱吉の前半までの幕閣の流れを書いたもの。この巻はあまり知られてない人物が出てるので、マニアックな人にオススメかも。でも他にも、由比正雪の乱や、明暦の大火(振袖火事)に関して詳しく書かれているので、名前だけは知ってるけど実際どんな話だったのか分からない、といった人は面白いと思う。また、お犬様で有名な五代徳川綱吉ですが、前半の治世は大老堀田正俊の補佐の下、名君でした。そのころの事も書いてあるので、後半の壊れっぷりしか知らない人にもオススメです。

 中巻タイトルは『将軍吉宗の野望』で、5代徳川綱吉の後半から8代徳川吉宗まで。綱吉の後半は、生類憐みの令などで、比較的知られているのだが、それでも目からウロコの話がいっぱい。その生類憐みの令にしても、実は生涯に60回以上繰り返しだされている、とか、対象はイヌ、ネコなどだけではなく、虫、蚊、ハエ、ノミ、シラミなどにまで及んでいたとか…知らんかった。また昨年テレビで放送されていた、『大奥』の元ネタ「柳沢騒動」についても書かれているので、そういう意味でもオススメだ。あのテレビ、主役以外はだいたい実在の人物だったみたいですね。
 また、八代将軍吉宗というと、それこそ名君として有名ですが、彼の野望の部分も書かれていて、そこも興味深い。これを読んで、江戸時代は吉宗前後で前半後半に分けんとあかんなあ、と思った。

 下巻タイトルは9代徳川家重から十五代徳川慶喜まで、ただし、少し最後が尻切れトンボ気味で、実質は十三代将軍家定まで、となっている。またこの辺は自分で政治やった将軍いないので、田沼意次→松平定信→水野忠邦が主要な内容になっている。
 田沼意次については、わいろ政治で有名だが、最近は有能な政治家として認められつつある。このどちらの部分も書かれているし、分かりやすい。
 水野忠邦についても「天保の改革」をしたという事で、いい人物と思いがちだがさにあらず。とんでもない人物なのだ。そのへんもこの本を読まなければ知らなかったなあ。

 さて、「その時歴史は動いた」だが、6代家宣の正室熙子を主人公に、8代将軍吉宗を選んで徳川幕府の混乱を止めた、みたいな話だった。そのこと自体に文句つけるつもりは無い。しかし、おきしな点が多すぎる。
 まず一つ目は、家宣が素晴らしい政治をやって名君と称えられた、という様な表現があったが、家宣自体はほとんど政治をしていない。実際に中心となったのは新井白石だ。もちろん民衆から言えば、将軍の政治、ということになるのだろうし、家宣だってしてたのかもしれない。だけど新井白石の「あ」の字も出ないというのはおかしいし、御側御用人の間部詮房の「ま」の字もでてこないのはどう考えたっておかしい。事実以上に家宣を名君にしよう、という意図が見え見えだ。
 また、7代将軍の生母月光院が部下と密通していたといった話も紹介されていたが、これが書かれている『文廟外記』や『三王外記』は伝聞創作に基づくもので、きわめて怪しい資料だ。この話をとりあげるにしても、そういった事を付け加えるべきだ。
 も一つ言えば、この本では吉宗を最初に推薦したのは月光院ということになっている。まあ、これはこの本だけを盲目に信じるのもどうかと思うので、ホントのところ分からないのだけれど、どうなんだろうなあ…
 とりあえずまあ、日本史は専門外なので、史実に対して正しいかどうか、のところは述べずにおく。でも少なくとも最初の2つは、国民のNHKへの信頼を考えれば、絶対に必要なはずだ。NHKは正しい事ばかり放送しているということはとても思えない。以前もローマ帝国の放送で、これはおかしい、と思ったこともあった。まあ、民放でも「イヌと呼ばれた男」で徳川綱吉をとりあげていたが、史実から言えばひどいものだった。でもあれは「フィクションであり…」がついている。「その時歴史が動いた」は、ドラマじゃないから「フィクションであり…」をつけろとは言わないが、これだけが正しいといった紹介の仕方は改めるべきではないか?


 野望の下馬将軍―徳川幕閣盛衰記 上巻将軍吉宗の陰謀―徳川幕閣盛衰記 中巻黒船擾乱―徳川幕閣盛衰記〈下巻〉
野望の下馬将軍―徳川幕閣盛衰記 上巻 (祥伝社文庫)

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